神奈川・ポーラ化成が開発した新しい日焼け止め技術を発表
ポーラ化成工業株式会社は、2025年9月にフランスのカンヌで開催される第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会で、最新の日焼け止め技術の研究成果を発表します。この成果は、汗に強くて心地よい使用感を持つ日焼け止め剤の開発に成功したもので、世界中の化粧品業界から注目が集まっています。
日焼け止めの重要性
日焼け止めは、シミやシワなどの光老化、さらには皮膚がん予防の観点からも非常に重要です。昨今では、機能性だけでなく、使い心地も求められるようになり、両方を兼ね備えた製品の需要が高まっています。
発表論文とその内容
発表予定の論文は、「ファイバー乳化で進化した究極のO/W日焼け止め ~先端OCT技術で可視化する他に類を見ない性能~」。この論文では、日焼け止めにおける標準的なニーズであるみずみずしい使用感と耐水性の両立について話されます。
従来のオイルベースの製品には撥水性が良好な一方で使い心地に難点があり、ウォーターベースの日焼け止めは使用感は向上するものの、汗や水に対して耐久性が低いという問題がありました。この課題に対し、ポーラ化成工業は、新素材の特性を活かした革新的な技術を開発しました。
新しい技術の概要
ポーラ化成は、OCT(Optical Coherence Tomography)という技術を使い、日焼け止め膜の剥がれを可視化し、そのメカニズムを明らかにしました。研究成果の中心には、竹由来のセルロースファイバーを用いた「ファイバー乳化」技術があります。この技術により、塗布後も汗でふやけず、しっかりと肌に密着する新しい日焼け止めが実現しました。
課題への対策
1.
膜のふやけを抑制: 微小サイズに加工された竹由来のセルロースファイバーを採用。これにより、心地よい滑らかな塗り心地を保ちながら、汗に強い撥水膜を形成します。
2.
肌への密着性を強化: 化粧品に用いられる成分を組み合わせることで、より肌にしっかりと密着できる膜の形成に成功しました。
完成した日焼け止めは、高い耐久性と紫外線カット効果の持続性を兼ね備えており、テストでも心地よい使用感が確認されました。この新技術の進化により、日焼け止めを使うことがより快適になり、紫外線からの保護を強化することが期待されます。
未来への展望
ポーラ化成工業は、今後もこのファイバー乳化技術をさらに洗練させ、新たな可能性を追求していく予定です。地元の環境問題や地域活性化にも貢献できるこうした技術が今後どのように進展していくのか、目が離せません。
参考資料
1.
OCT技術とは
2.
竹由来のセルロースファイバーについて
3. IFSCCについて、世界中の化粧品研究者が集まる重要な大会であることもお伝えしたい情報です。今後の発展に期待しましょう!