神奈川県川崎市に位置する老舗居酒屋「戸田ヤ」。この店舗から生まれたユニークな暖簾「扇暖簾」が、名誉ある京都デザイン賞2025において入選を果たしました。
扇暖簾誕生の背景
「扇暖簾」は、戸田ヤの約80年の歴史の中から生まれました。この居酒屋は1940年代に創業し、1985年に角打ちから現在のスタイルへと進化しました。地域の人々が集うあたたかい空間を提供し、現在は3代目の姉妹が店を切り盛りしています。
デザイナーである川畑健人氏は、家族経営の居酒屋で育った経験を活かし、新しいデザインの必要性を感じました。特に、初めて訪れるお客様が扉を開ける時の緊張感を和らげるためのデザインが求められていました。
扇暖簾の特徴
扇暖簾は、従来の長方形の暖簾とは一線を画し、半円形の特異なデザインが特徴です。この形状には以下のような利点があります。
- - 心理的ハードルを軽減:角を持たない半径のある形状が、入店時の緊張を和らげる効果を持っています。
- - 自然な動線誘導:暖簾のカーブが、来店者の視線を穏やかに遮りながら空間へと誘導します。
- - 印象の変化:設置するだけで店舗や住居の印象を大きく変えることができます。
- - 取り付けやすさ:従来の暖簾のように棒に通すだけの簡単な設置が可能です。
- - 多様性:飲食、宿泊、結婚式場など、さまざまな場面で使用できるデザインとなっています。
- - 縁起の良さ:扇は古来より繁栄や吉兆を象徴し、訪れるお客様に良い運をもたらします。
京都デザイン賞2025の入選
京都デザイン賞は、建築やプロダクト、ファッション、グラフィック等の多様な分野から審査された結果、「扇暖簾」が入選したことは大きな出来事です。11月22日に行われた授賞式では、多くの注目を集めました。
川畑氏は、「この受賞を通じて、扇暖簾が多くの空間に新たな選択肢を提供できることを期待しています」と語りました。
商品情報
- - 商品名:扇暖簾(おうぎのれん)
- - サイズ:標準サイズW1800 × H900mm、その他のサイズも受注可能
- - 価格:標準サイズ31,000円〜
- - 素材:布帛各種による製作
THE NORENMAKERについて
デザインを担当したTHE NORENMAKERは、川畑健人氏によるブランドで、家業の課題から生まれた暖簾の選択肢を提案しています。彼は、文化服装学院で学んだ経験を活かし、ミニマルなデザインで地域コミュニティや商業空間をつなぐ役割を果たしています。
最後に
「扇暖簾」は、川崎の居酒屋から生まれた新たな名品です。この暖簾は、入ることの楽しさを告げ、人々に心地よい空間を提供していくことでしょう。今後も多くの場面で、この魅力的なデザインが目にすることができることを期待しています。