MadeHereと米海兵隊の提携
神奈川県横浜市の株式会社MadeHereは、米国海兵隊補給処整備コマンド(MDMC)と新たに戦略的なパートナーシップを締結しました。この提携は、インド太平洋地域における製造と維持支援力を強化するためのもので、米軍のサプライチェーンを強固にすることを目指しています。
提携の背景
最近の国際情勢において、インド太平洋地域で展開する米軍は、地理的な広がりからくる補給リードタイムの増大や、有事におけるサプライチェーンのリスクに直面しています。古くなった装備品の部品調達が難しいことも課題となっており、米国本土に依存しない部品調達の体制構築が求められていました。そこで、MadeHereはその技術を活用し、必要な部品を即座に現地で製造する体制を整えたのです。
MadeHereの技術力
MadeHereは、金属や樹脂の3Dプリント、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)加工、CNC切削、射出成形など、多岐にわたる高度な製造技術を提供しています。本提携において特に重要なのは、デジタル製造基盤の統合です。2025年8月に実施された米海軍の技術演習で、MadeHereは米国防総省のデジタルプラットフォーム「デジタル・マニュファクチャリング・エクスチェンジ(DMX)」と接続し、瞬時に製造できる技術を実証しました。
提携の具体的な取り組み
このパートナーシップにより、以下の取り組みが実施されることになります。
1.
廃番部品のオンデマンド製造: リバースエンジニアリングを活用し、図面や金型がない部品も製造することが可能です。
2.
前方展開地域での即応調達: 米国本土を通さずに、国内で製造・納品を行うことで、調達期間の短縮を図ります。
3.
デポ機能の拡張: MDMCのエンジニアリングリソースとMadeHereの製造能力を相互に活用し、高度な修理や製造を日本国内で実施します。
声明と展望
米海兵隊のオペレーション・ディレクター、デビッド・アンダーソン氏は「この協力関係により、重大な維持管理の課題を迅速に克服できる能力が強化される」と述べています。さらに、MadeHereのCEOデヴォア・アレキサンダー氏は「この提携は、日本の産業基盤と米国のニーズを結び付ける重要な一歩です」と語っています。
このように、MadeHereは米海兵隊が必要とするロジスティクスと製造サポートを提供するために、MDMCのインフラや専門的知識を活かした支援体制を構築していく方針です。インド太平洋地域の米軍部隊に対し、革新的な装備維持や補給ソリューションを提供することで、日米の防衛産業の協力関係をさらに深めることが期待されています。
会社概要
株式会社MadeHereは、神奈川県横浜市に本社を置き、2016年に設立されました。主な業務は廃番部品製造サービス、3Dプリント受託製造、および関連機器の販売です。また、2025年には社名を「株式会社3D Printing Corporation」から「株式会社MadeHere」と変更する予定です。企業として、リバースエンジニアリングや3Dプリント技術を駆使し、製造業界に新たな価値を提供することを目指しています。
今後もMadeHereは、米海兵隊との連携を通じて、インド太平洋地域におけるサプライチェーンを一層強化し、国際的な安全保障への貢献を続けていくでしょう。