自動運転トラックと貨物鉄道の融合による新たな物流モデルの実証
2025年7月14日、関東と九州を結ぶ新しい物流モデルの実証が始まります。これは、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」によるものです。この実証は、初めて「往復」での輸送を行うもので、関わる企業は東洋製罐グループホールディングス、全国通運、日本貨物鉄道、T2の4社です。
モーダルコンビネーションとは?
モーダルコンビネーションとは、トラックと鉄道を組み合わせた輸送モデルで、環境問題の解決や物流業界の労働環境改善を目指しています。2024年11月から、5社での共同検討を進めてきた結果、輸送業界での新たな試みとして注目されています。
実証の仕組みと目的
今回の実証は、T2が開発したレベル2の自動運転トラックを使用し、飲料用の紙コップなどを輸送します。特に、貨物鉄道のネットワークと自動運転トラック技術を融合することによって、輸送効率や柔軟性を高めることが目的です。2025年6月には、北海道から関西間で試験輸送を行い、その好結果を受けたうえでの次なるステップとも言えるでしょう。
輸送の流れ
この実証では、共用コンテナを使用し、輸送の効率性を高めます。東罐興業の厚木工場から大阪貨物ターミナルまでを自動運転トラックで輸送し、続いてJR貨物の貨物列車が大阪から福岡へと運びます。復路では、福岡から大阪までを貨物列車が運搬し、その後自動運転トラックが大阪から埼玉の拠点へと持ち帰ります。また、全国通運が拠点間の集配を担います。
参加企業の役割
実証に参加する企業はそれぞれ異なる役割を持ちます。東罐ロジテックは商品の輸送と品質検証を担当し、全国通運は集荷と配達を行います。JR貨物は鉄道区間での輸送を担い、T2が自動運転の輸送およびその検証を行います。これにより、トラックと鉄道双方のメリットを活かした新たな輸送モデルの確立を目指します。
持続可能性の向上
この取り組みは持続可能な物流の実現に向けた重要な一歩です。地球環境問題や物流業界の労働環境に対処するために、この新しいモデルがどう実証されるか、私たちが注目したいポイントです。実証実験は2025年に入って始まる予定ですが、その成果が期待されます。物流業界の未来は、これらの革新によってより明るいものになるかもしれません。今後の展開に注目が集まります。