港区とハミングバードが災害協定を締結
近年、自然災害の頻発にともない、迅速な情報収集と救助活動がますます重要視されています。その中で、東京都港区と株式会社ハミングバードは、災害時における無人航空機、つまりドローンによる情報収集に関する協定を新たに結びました。
災害時の新たな窓口
この協定に基づくと、港区が必要と判断した場合、ハミングバードのパイロットが危険な地域でもドローンを使って被災状況を調査できます。これにより、人が立ち入りにくい場所でも、必要な情報を迅速に収集できる環境が整います。
現在、ハミングバードは7つの自治体と同様の協定を結んでおり、その自治体には東京都の江戸川区や足立区、さらに神奈川県横浜市や千葉県市川市が含まれています。
協定締結の背景
全国的に、自然災害が増加している中、東京都港区では、首都直下型地震や台風、高潮のような多様なリスクに備える必要が急務だと感じていました。そこで、区民の安全を確保するための施策として、ハミングバードとの連携を模索していたのです。
ハミングバードは、2018年にお台場でドローンスクールを開校した後、数多くのパイロットを育ててきました。これまでにも、様々な自治体と連携し、災害時の防災訓練を行うなどして、ドローンの利活用技術を高めてきました。
実証実験を経ての協定
今回の協定締結は、港区が実施した“みなと新技術チャレンジ提案制度”において『ドローンによる緊急支援物資輸送プロジェクト』が採択されたことに由来しています。この実証実験は、東京湾で行われ、ドローンを使った物資輸送のレベル3.5飛行での試みとなりました。オンラインでその様子を配信することでも、多くの人々にその重要性が伝わったことでしょう。
港区の特性を考慮した取り組み
港区は東京湾に面しており、多様な地形を持っています。特にお台場は埋立地であり、災害発生時には交通機関が遮断され、一時的に孤立する危険性があります。そのため、ドローンを使った広範囲な空撮による被害状況の把握が重要です。
ドローンならではの機動力を活用すれば、孤立した被災者を早期に発見できる可能性が高まります。また、高層ビルの屋上への物資輸送も迅速に行えるため、地域住民の安全確保に貢献できるでしょう。
災害協定の内容
協定の内容としては、ハミングバードの資格を持つインストラクターがドローンを操縦し、港区内の被災情報を収集することが主な目的となります。この実施により、港区の防災力は向上し、区民の安心感につながるでしょう。
今後の展望
本協定は災害時の緊急対応だけではなく、平常時には総合防災訓練や、防災ドローン体験セミナーなどの普及活動にも発展することが期待されています。ハミングバードと港区はこの新たな取り組みを通じて、更なる防災能力の向上を目指していくでしょう。
会社情報
ハミングバードは、ドローンスクールを運営し、優秀なパイロットを育成することに特化した企業です。全国各地で学びの場を提供し、現在までに5,000人以上の卒業生を持つなど、ドローン産業の発展に貢献しています。災害時の迅速な対応を可能にするこの取り組みは、他の地域への広がりも期待されているのではないでしょうか。