ハプト藻の解明
2025-05-11 20:29:20

岡山大学、海洋環境の要となるハプト藻の光化学系II構造を解明

岡山大学が新たに解明したハプト藻の光化学系II-アンテナ複合体



岡山大学での研究チームは、海洋環境の維持に欠かせないハプト藻由来の光化学系II(PSII)-フコキサンチン・クロロフィルc結合タンパク質(FCPII)超複合体の構造を解明しました。この研究は、2023年5月5日に著名な学術誌「Nature Communications」に掲載されました。

ハプト藻の重要性


ハプト藻は、海洋バイオマスの30~50%を生産し、地球上の炭素固定の10%と海洋炭酸カルシウムの50%を担う重要な生物です。これまで、ハプト藻がどのようにエネルギーを変換するのか、その詳細なメカニズムは解明されていませんでした。しかし、この研究によってその一端が明らかになりました。

研究の成果


岡山大学異分野基礎科学研究所のRomain La Rocca助教らのグループは、岡山大学の最先端のクライオ電子顕微鏡を用いて、光化学系II-FCPIIの構造を2.2Åという高分解能で観察しました。

研究の結果、PSII二量体の両側にそれぞれ6個のFCPIIが結合していることが分かりました。これは、これまでの緑藻や珪藻のPSII-LHCIIとは異なる特徴です。また、高分解能により、これまで未特定だったサブユニットPsb36の配列も初めて決定されました。これにより、主要なエネルギー移動経路も同定され、エネルギー伝達のメカニズムについて新たな洞察が得られました。

環境科学への貢献


今回の発見は、ハプト藻におけるエネルギー伝達のメカニズムを深く理解するための重要なステップであり、進化過程におけるPSII-FCPIIの変化についても新しい知見を提供すると期待されています。これにより、海洋生態系の保全や環境問題の解決に向けた研究がさらに進むことが期待されています。

結論と今後の展望


岡山大学の研究チームの成果は、持続可能な海洋環境の維持に貢献する可能性を秘めています。今後も、ハプト藻や他の藻類の研究を通じて、私たちの地球環境への理解を深めていくことが求められます。この研究は、日本学術振興会の特別推進研究の支援を受けて実施されました。

このように、岡山大学の取り組みは、科学の最前線で世界的に重要な課題に挑むものです。私たちの未来に向けて、さらなる研究が進化し、多くの知見が蓄積されることを期待します。


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