MobiSaviと愛媛日産が築く新しいリユースEVの未来
現在、国内外で電気自動車(EV)が注目されていますが、その中でもリユースEV市場の活性化が重要です。リユースEVとは、過去の所有者から譲渡された中古EVを指し、環境負荷の軽減に繋がる新たな選択肢として期待されています。今回、MobiSaviと愛媛日産自動車が共同で進める新しい取り組みについてご紹介します。
新たなEV普及モデルの検討
株式会社MobiSavi(神奈川県横浜市)と愛媛日産自動車株式会社(愛媛県松山市)はリユースEVを用いた新しい販売モデル構築に向けて具体的な検討を開始しました。この取り組みは、EVサーキュラーエコノミーの実現を目指しており、リユースEV市場の活性化を目的としています。両社は、認定された自動車メーカーの基準に従って再整備を施したリファービッシュEVの販売を計画。特に、「実用性能証明」「バッテリー性能保証」「残価保証」を付与することで、ユーザーがリユースEVを選ぶ際の不安を軽減します。
具体的な取り組み内容
MobiSaviと愛媛日産は、それぞれの強みを活かした以下の役割分担を行います:
- - 愛媛日産は、自動車メーカーによる認定部品を用いた消耗品の交換や内外装の修復、さらにプログラム更新を担当。
- - 一方、MobiSaviは、自社の独自技術を用いて品質と性能の判定を行い、EV実用性能証明書を発行します。
- - 両社は共同で、データに基づく残価保証による買取・回収スキームを構築し、バッテリー診断サービスを含む専用メンテナンスサービスを提供していきます。
サーキュラーエコノミーの促進
この取り組みの最大の目標は、EVバッテリーのサーキュラーエコノミーを促進することです。リユースEV市場の活性化を図ることで、新車やリユース車、バッテリーの再利用、リサイクルといった資源循環を円滑に進めていきます。この取り組みによって、バッテリーの原材料を有効活用し、環境負荷を低減することが期待されています。
バッテリー性能の保証
MobiSaviの独自技術によって、バッテリーの残存性能を可視化し、EV実用性能証明書を発行することが可能です。このプログラムはバッテリー性能の予測や実測を通じて購入後の安心を提供することを目的としています。これにより、リユースEVの価値も高まることが期待されます。
残価保証スキームの構築
さらに、従来のリユース車査定方法に対して、EVに特化した新たな査定方法を開発することで、バッテリー性能を含む総合的な価値評価システムを構築します。また、リユースEVのみならず、新車EVのリースや残価設定型クレジットにも適用可能な買取・回収スキームも共同で開発することで、これまで課題とされてきた残価率の低さを解消します。
新車EVの普及への寄与
この新たなモデルは、新車EVの販売促進にも貢献することが見込まれています。従来、新車EVはガソリン車やハイブリッド車に比べて残価が低く見積もられる傾向がありましたが、新しい取り組みにより、より現実的な残価設定が可能となります。これにより、新車EVの月々の支払い負担が軽減され、消費者の導入意欲が高まることが期待されています。
事業展開の将来展望
MobiSaviと愛媛日産は、2025年度から本取り組みに関する共同検討を進め、愛媛日産が地域におけるリユースEV流通のハブとなることを目指します。査定・整備・販売だけでなく、バッテリー診断や二次利用のノウハウを集積・発信する基地を構築する計画です。さらに、周辺地域や他の販売店との連携を図り、多様なリユースEVを扱う体制を整備することで、リユースEVの流通を支えるエコシステムも構築を目指しています。
まとめ
MobiSaviと愛媛日産の取り組みは、ただのEV普及にとどまらず、全体の資源循環を目指している点において、その意義は大きいと言えます。次世代のリユースEVは、環境だけでなく、消費者にも安心と価値を提供する新しい選択肢となるでしょう。未来のモビリティ社会を見据えたこの取り組みから目が離せません。