横浜港でメタノールバンカリングが実施
2026年2月6日、横浜市の京浜港横浜区NR錨地にて、メタノールを船舶燃料として供給する『メタノールバンカリング』が実施されました。この取り組みは、出光興産株式会社、国華産業株式会社、商船三井および三菱ガス化学が共同で行い、国内初の試みとして注目されています。
メタノールバンカリングの目的と意義
メタノールは、様々な用途に使用される基礎化学品の一つです。特に、燃料用途ではCO2や硫黄酸化物、窒素酸化物の排出量が少ないクリーンな燃料として知られています。海運業界においては、温室効果ガス排出の削減を目指し、重油に代わるメタノールの採用が進められています。バンカリングは、船舶にメタノールを供給するプロセスで、これを通じて海上輸送のカーボンニュートラル実現が期待されています。
実施船と装置の概要
今回のバンカリングに参加したのは、商船三井が運航するメタノール二元燃料外航船『第七甲山丸』と、国華産業のメタノール輸送内航ケミカルタンカー『英華丸』の2隻です。第七甲山丸は総トン数29,969トンで、運航者は商船三井。一方の英華丸は498トンで、運航者は国華産業です。
バイオメタノールの供給
バンカリングでは、三菱ガス化学が新潟工場で生産した国産バイオメタノールも使用されました。このバイオメタノールは、今回の燃料供給の重要な要素であり、環境に優しい燃料供給の一環として位置づけられています。メタノールは、再生可能な資源から製造されるため、ライフサイクル全体でのカーボンニュートラルを推進することができます。
安全対策と地域連携
このバンカリングの成功には、国土交通省や海上保安庁などの関係者との連携が重要でした。事前に行われたシミュレーションを通じて、安全対策や手続きが整理され、実施に至った経緯があります。横浜市もこの取り組みを支援し、カーボンニュートラルポートの実現に向けた活動の一環として位置づけています。
今後の展望
今回のメタノールバンカリングは、日本国内初の錨地での実施として、多くの関係者によって成功を収めました。今後も、バンカリングの普及に向けた取り組みが進められ、他船種や国内の他地域での実施も期待されています。
また、出光興産は次世代燃料である『e-メタノール』の供給体制の構築にも取り組んでおり、船舶燃料の提供だけでなく、他のセクターの脱炭素化にも寄与することを目指しています。
結論
この取り組みは、漁業や貿易、さらには日常生活における輸送においても、よりクリーンで持続可能な未来を実現するための重要なステップです。今後も、横浜港を拠点としたメタノール燃料の供給が進展し、日本全国でのバンカリング実施のモデルケースとなることが期待されています。