小野測器が次世代モビリティ開発拠点を設立
電子計測器のリーディングカンパニー、小野測器が愛知県豊田市に新たに「中部リンケージコモンズ(CLC)」を設立することが発表されました。この新拠点は、2027年に運用開始を予定しており、東京大学との連携を通じて世界トップレベルの技術を実装した試験設備を備え、次世代のモビリティの技術開発を加速することを目指します。
 CLCの設立背景
小野測器は2020年に豊田市の事業用地を取得し、新たな拠点の計画を進めてきました。しかし、新型コロナウイルスの影響とデジタル技術の急速な進化により、計画には大幅な変更が求められました。その結果、同社は新横浜にあった旧本社の土地・建物を売却し、その資金をつぎ込む形でCLCの建設を決定しました。建設費は総額約23億円と見込まれています。
 次世代モビリティ技術の実現
CLCでは、自動車メーカーやサプライヤーからの騒音・振動評価(NV評価)などを行い、モデルベース開発に対応した試験が行われます。どのような施設が設けられるかは後日発表される予定ですが、次世代モビリティ技術の開発には不可欠な拠点としての期待が寄せられています。この場所では、地域の教育機関や他業種の企業との連携も進められ、共創パートナーとの協力による新たな価値創造も期待されています。
 地域との連携と共創の場
愛知県豊田市は、自動車産業の集積地として知られています。そのため、ここに拠点を設けることで、地域の企業との密接なコミュニケーションが図られ、次世代モビリティ技術の発展に寄与することが可能になります。また、株式会社小野測器は共創専用スペースを設け、異業種の企業との共同開発を視野に入れた活動を行う予定です。
 未来を見据えた技術革新
小野測器の中期経営計画「Challenge StageⅣ」では、デジタル開発への対応を成長戦略の一環として掲げています。CLCは、同社が持つデジタル計測とエンジニアリングの力を最大限に引き出す場所であり、次世代の技術革新に向けた取り組みを加速する拠点として期待されています。20年代末には、日本が世界をリードする自動車産業の中で重要な役割を果たすことが期待されるこの拠点は、未来のモビリティの実現に向けた第一歩となるでしょう。
 まとめ
小野測器の新拠点「中部リンケージコモンズ」は、愛知県豊田市における次世代モビリティ技術の中心地として、2027年の稼働を目指しています。地域との連携を深め、新たな価値創造を実現するためには、この新しい研究施設が欠かせない存在となるでしょう。技術革新が進む中、今後の展開から目が離せません。