シェフラー、後輪ステアリングの生産を新たに開始
シェフラーグループが、ドイツの自動車メーカー向けの後輪ステアリングシステムの量産を2025年第1四半期に開始しました。この新たなプロジェクトは、シェフラーの「Generate Motion」製品ファミリーに属しており、今後のモビリティのニーズに応える強力な製品とされています。特に、最近の受注獲得は、同社の革新的なシャシー技術がモーションテクノロジーのリーディングカンパニーとしての地位を確立することに寄与しています。
シェフラーAGパワートレイン&シャシー事業部のCEO、マティアス・ツィンク氏は、同社は顧客のニーズに密着した生産を行っていると強調しています。世界55カ国に展開する拠点を持つシェフラーは、顧客志向の製品開発に専念し、後輪ステアリングを含めたシャシー製品群の拡大に努めています。この取り組みにより、現在、欧州、中国、北米の3工場で、7車種分の後輪ステアリングが生産されており、2027年までにさらに6車種に採用予定です。
内製化の推進と具体的な成果
シェフラーは、昨年のヴィテスコ・テクノロジーズとの合併を背景に、内製比率を引き上げる戦略を進めています。これにより、開発サイクルが短縮され、システムとしての技術力も向上しました。具体的には、後輪ステアリングの開発に関して、インダクティブ変位センサーモジュールや独自のパワーパックソリューションが用いられ、自己完結的な製品開発が実現されています。
シェフラーの後輪ステアリングは、電動モーターの回転運動を高効率で伝達できる高精度メカシステムを採用しています。これによって、コーナリング時の俊敏性や高速時の安定性が向上し、特に狭い場所での取り回しや駐車を容易にする効果があります。
戦略の広がりと未来の展望
さらに注目すべきは、シェフラーの後輪ステアリングシステムが、北米の自動車業界専門誌によって「Automotive News PACE Award 2025」を受賞したことです。この受賞は、同社の革新性と技術的進歩が高く評価された結果であり、業界での存在感を強めています。
2025年9月には、ドイツのミュンヘンで開催される国際モーターショー「IAA Mobility 2025」において、シェフラーの後輪ステアリングシステムとその他の革新技術が展示されます。シェフラーは、自社ブースで新技術を紹介し、未来のモビリティに向けた取り組みをアピールする予定です。
これらの取り組みにより、シェフラーはモーションテクノロジーの分野でのリーダーシップを確立し、今後さらに多様な顧客のニーズに応え続けることでしょう。特に電動化や自動運転技術が進化する中で、シェフラーの革新的な製品群はますます重要な役割を果たすと考えられます。
全国で75年以上にわたってモーション技術をリードしてきたシェフラーは、今後も持続可能で効率的な技術開発に挑戦し、未来のモビリティ革命に寄与することが期待されます。