住宅DXベンチマーク視察ツアーの開催
2025年5月9日、神奈川県藤沢市において、株式会社リブ・コンサルティング主催の「住宅DXベンチマーク視察ツアー」が開催されました。このイベントには、全国から集まった住宅・建築業界の経営層15名が参加しました。視察先には、「ペンのない工務店」として知られる株式会社ecomoと、建設DXを推進する株式会社log buildが選ばれました。
ペンのない工務店、ecomoの取り組み
ecomoが掲げる「ペンのない工務店」という概念は、単なるペーパーレスを超えています。ここでは、図面やチェックリスト、進捗管理など、従来の工務店業務で行われていた属人的な運用を、すべて標準化し、クラウド化することによって実現されています。このアプローチにより、全員が同じルールで業務を遂行できるようになっています。
視察では、参加者はecomoの本社やその運営するモールを訪れました。そこでは、プロジェクト管理や設計、施工管理を行う際の統一したプロセスを実際に体感しました。この経験は、実務における段取りの明確化や、業務効率の向上につながっています。
log buildが支える新たな業務運営
次に、log buildの紹介です。この企業は、ecomoの実務から生まれた建設DXのソリューションを提供しており、視察では「Log System」を使った現場運営の姿が紹介されました。360度カメラを使った「Log Walk」や、遠隔での立会いを可能にする「Log Meet」は、特に注目を集めました。これらのツールは、施工管理に要する時間を大幅に短縮し、リモートで業務の7割をこなすことを可能にしています。
参加者は、製品中心ではなく、実際の現場の課題を解決するための思想から開発されている点に感銘を受けていました。これは、業界の職人や管理者、経営者が共通で直面する問題を解決するためのアプローチなのです。
特別対談で明かされた住宅業界の真実
視察の最後には、ecomoとlog buildの両代表による特別対談が行われました。このセッションはオフレコ形式であり、具体的な名称は出せませんが、「DXは単なる道具ではなく、経営者の覚悟が必要」であるといった重要なメッセージが飛び交いました。また、「理念と数値の両立が現場を動かす」など、具体的な経営論が話し合われる場となりました。
今後の住宅業界の変革に期待
この視察ツアーを通じて、参加者たちはDXの本質を感じることができました。私たちの住まいを支える業界がどのようにデジタル化を進め、未来に向かっていくのか、注目が集まります。これからも、住宅業界の進化を見守り続けていく必要があります。今回の視察が、その一助となることを期待しています。