不妊症と歯周病の関係
2025-10-19 00:39:16

不妊症と歯周病の関係性を示した岡山大学の研究成果

不妊症と歯周病の関連性を示す岡山大学の新たな研究



2025年10月、岡山大学の研究チームが不妊症と口腔疾患の一つである歯周病との関連性に関する重要な研究成果を発表しました。この研究は、国立大学法人岡山大学と不妊治療に特化した三宅医院との共同研究に基づいています。

研究背景と目的


不妊治療を受ける患者さんと自然妊娠を経験した妊婦さんを対象に行ったこの研究は、口腔内の健康状態が妊娠の成功に影響を及ぼす可能性を探るものでした。特に、歯周病の原因となる細菌Porphyromonas gingivalis(Pg菌)が不妊の一因となり得ることを明らかにすることを目的としています。

研究方法の概要


まず、研究者たちは不妊治療を受けている患者さんの口腔内を調査しました。その結果、Pg菌に対する感染度が、自然妊娠した妊婦さんと比較して有意に高いことが確認されました。実際に、妊娠を試みるカップルにおいて、歯周病の早期発見と治療が重要であるという結果が得られました。

さらに、実験室ではPg菌を感染させたマウスモデルを用いた動物実験が行われ、雌マウスの子宮に異常が生じ、胎児に対する負の影響(出生数減少や胎児の低体重化)が示されました。この結果は、不妊の新たな要因としての歯周病の可能性を示唆する重要なデータとなりました。

研究者の見解


この研究に関わった永田千晶客員研究員は、新たな発見の重要性を強調しています。「研究開始当初、歯周病が不妊に関与するとは考えていませんでしたが、実際のデータを解析するなかで、仮説から確信に変わりました。」と語ります。また、大森一弘准教授は、重度の歯周病患者が専門的治療を受けた後に自然妊娠するケースを体験したことを挙げ、医科歯科連携の重要性を訴えました。

三宅貴仁院長は、「不妊治療を享受するカップルが増加している中で、歯周病が不妊に与える影響に関する理解が広がることを期待しています。」と述べています。最後に、研究成果は国際学術誌Scientific Reportsに掲載され、今後の不妊治療や母子の健康に寄与することが期待されています。

研究の意義


この研究は、少子化が進む現在の社会において、不妊症の原因を解明し、治療の幅を広げる上で重要なステップとなるでしょう。また、口腔環境を整えることが妊娠を望むカップルにとっての新たな選択肢となることや、歯周病治療の重要性が再認識されることを目指しています。妊娠活動を行う前に、まずは口腔内の健康チェックを行うことが推奨されます。これにより、将来の母子の健康を守るための第一歩とすることができるでしょう。


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