二刀流の挑戦
2025-11-11 16:11:29

IT起業家が挑むウインドサーフィンワールドカップの舞台

IT起業家が挑むウインドサーフィンワールドカップの舞台



神奈川県の横須賀を拠点とするN-Sports tracking Labの代表、横井愼也氏は、最新テクノロジーを用いてウインドサーフィンの観戦体験を一新するべく日々努力しています。特に注目したいのは、彼が自身の開発した観戦システム「HAWKCAST」を駆使して、ANAウィンドサーフィンワールドカップ横須賀・三浦大会に出場することになったという異例の挑戦です。

ウインドサーフィンの課題と挑戦


ウインドサーフィンは、風の力を利用してボードを操るダイナミックなスポーツです。しかし、レースが沖合で行われるため、一般の観客には選手の動きや状況がわかりにくいという問題があります。横井氏は、社会人になってから遅れて競技を始めた選手でありながら、限られた時間の中で効率的に技術を向上させる方法を考え出しました。その結果、彼はデータを用いてトレーニングを科学的に進めることに焦点を当て、競技分析のためのシステム「SmartSailing」を開発しました。このシステムでは、GPSや9軸センサーを駆使し、風向き、スピード、角度などをデータ化し、選手の技術向上に役立てられています。この技術は、今や日本のオリンピックを目指す選手のトレーニングにも広く利用されています。

HAWKCASTによる観戦体験の革新


「HAWKCAST」は、ウインドサーフィンやその他の水上競技をリアルタイムでトラッキングし、観客やコーチ、大会運営者が地図上に競技の進行を表示できる画期的なシステムです。従来の手法では人力で行われていた競技計測を自動化し、大幅にスタッフの負担を減らすことができました。このシステムは2019年以降、ワールドカップの公式トラッキングシステムとしても導入され、国際大会で高く評価されています。

N-Sports tracking Labは、この技術をさらに進化させ、競技計測やデータ分析、観戦体験を融合させることで、セーリングやロードレース、トライアスロンなどの競技にも応用していくことを目指しています。

二刀流アスリートの誕生


横井氏は、データ分析を活用したトレーニングを続けた結果、数年で国内のトップクラス選手へと成長します。そして、彼は今回、自身の育てたデータを生かし、世界大会の舞台に挑むことになります。「もともとは“見えない海の上をどう見せるか”という技術開発が出発点でしたが、実際に選手としてデータを体感することで技術もトレーニングも大きく進化しました。」と横井氏は語ります。彼は、今後この経験を活かし、日本の選手たちの成長に貢献したいと強く願っています。

ANAウィンドサーフィンワールドカップとは


ANAウィンドサーフィンワールドカップは、世界のトッププロが一堂に会するワールドツアーの最終戦です。毎年約10か所で開催され、日本では2017年から毎年行われています。2020年と2021年は中止されましたが、この大会は今年で第7回目を迎えます。

N-Sports tracking Labの取り組み


N-Sports tracking Labは、スポーツデータの計測や解析、オンライン中継システムの開発・提供を行っており、様々な競技に対応しています。駅伝やトレイルラン、自転車競技、セーリングなど、広範なスポーツ界においてデータ化の革命を進めています。これまでの受賞歴にも恵まれ、令和4年度スタートアップオーディションでは最高賞やNICT賞を受賞しました。横井氏の挑戦は、テクノロジーを駆使した新しいスポーツ観戦の形を切り開くものとして、今後の注目が集まります。


画像1

画像2

画像3

画像4

関連リンク

サードペディア百科事典: ウインドサーフィン HAWECAST N-Sports

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。