星の文人 野尻抱影の宇宙展
2025年の春、星空に夢を馳せた文人・野尻抱影の生誕140年を記念した特別展が開催されます。抱影は「冥王星」という和名の名づけ親として知られ、星空を愛し、その魅力について多くのエッセイを執筆しました。彼の作品は、今でも多くのファンに支持され、文学の中で星々の美しさと神秘を語り続けています。
本展では、彼の美しいエッセイや、星の和名のコレクションに関する資料が集められ、抱影の文学的な視点から宇宙の広がりを感じさせる内容となっています。また、彼が愛用した天体望遠鏡「ロング・トム」も展示され、来場者はその目の前で、抱影が星を観測した感覚を共有できます。
「ロング・トム」という名前の由来は、彼が翻訳を手掛けたロバート・ルイス・スティーブンソンの小説『宝島』に登場する海賊船の大砲にちなんでいます。この特別な望遠鏡を通じて、抱影が世田谷の自宅で近所の人々と共に星を観測した情景が思い起こされます。
展覧会の詳細情報
- - 会期:2025年4月26日(土)〜8月31日(日)
- - 開館時間:10:00〜17:30(入館は17:00まで)
- - 休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
- - 料金:
大人(高校生以上)200円(団体料金150円)
中学生以下は無料
- 横浜市在住の65歳以上の方100円
- 毎月23日は「市民の読書の日」、第2・第4土曜日は高校生が無料
- 障がい者手帳をお持ちの方とその付き添いの方1名も無料
この展覧会では、野尻抱影のエッセイを通じて文学や民俗学の豊かさを感じることができ、彼が描いた宇宙観の深さを体験できます。また、関連イベントとして「100歳の望遠鏡『ロング・トム』で月を観よう!」と題した夏休み観望会も予定されています。このイベントでは、平塚市博物館の学芸員が解説を行い、星空を観るチャンスが提供されます。
特別企画と新作小説
さらに、好評連載中の新作小説「オリオンと猫 野尻抱影と大佛次郎物語」も見逃せません。月刊「星ナビ」に掲載され、幅広い年齢層の星好きから人気を集めています。この物語は、大佛次郎記念館で働く新人職員の視点から描かれ、野尻兄弟の絆や志向を描いています。
資料公開と秋の企画展
また、野尻抱影の自著や洋書に関するデータベースも初公開され、来場者は彼の著作を深く知ることができるでしょう。平塚市博物館でも、秋のミニ企画展「野尻抱影 星の文人の軌跡」が予定されており、さらに多彩なイベントが展開される予定です。
野尻抱影の文学や宇宙への思いを感じる貴重な機会に、是非足を運んでみてはいかがでしょうか。彼の星空へのロマンを堪能できることでしょう。