ポーラ化成工業の新たな挑戦
ポーラ・オルビスグループの一員であるポーラ化成工業株式会社は、神奈川県横浜市に本社を置き、化粧品業界において極めて注目される研究を行っています。その中でも特に注目なのが、テーラーメイド化粧品の実現を目指す「ミラースキン」技術です。この技術は、個々の皮膚の特性を忠実に再現しており、化粧品評価や研究においてその存在感を増しています。
2025年にフランスのカンヌで開催される第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会では、ポーラ化成工業が「ミラースキン」の進化形である「ミラースキン2.0」に関する研究成果を発表します。これは、より本物の皮膚に近い構造を再現することに成功したもので、究極のテーラーメイド化粧品の提供に向けた重要なステップです。
ミラースキンの進化
以前のミラースキンは、内側に表皮が存在する構造であり、化粧品成分を塗布する際の使い勝手に問題がありました。しかし、新たに開発されたミラースキン2.0は、表皮が外側に配置された平面構造を実現しました。これにより、リアルな皮膚特性を持ちながら、化粧品評価においても利用しやすい形に進化したのです。
ミラースキン2.0は、3層構造を持っており、皮膚の色素を生成するメラノサイトや毛包も含まれています。研究チームは、皮膚のバリア機能に寄与するタイトジャンクションが、化粧品成分の透過を抑える能力を発揮することを確認しました。これにより、ミラースキン2.0は化粧品評価のための皮膚モデルとしてだけでなく、多くの研究や産業分野での利用が期待されています。
世界に向けた発信
ポーラ化成工業の発表論文『Advanced skin organoid that perfectly mirrors real skin』は、これまでの研究成果を基にしています。この発表では、皮膚のバリア機能や化粧品のパーソナライズ化の重要性が強調されています。特に、個々の遺伝子を反映したミラースキンは、肌悩みの原因やその改善メカニズムを探るためのモデルとしても利用可能です。
研究のリーダーである髙橋萌奈研究員は、ミラースキンの助けを借りて、個々の肌に最適な化粧品を提供することができると期待しています。さらなる進展を目指し、ポーラ化成工業は引き続き新技術の開発とその活用に全力を注ぎます。
まとめ
ポーラ化成工業から発信されるミラースキン技術は、化粧品業界において革新の兆しを示しています。2025年のIFSCC世界大会での発表は、その技術の重要性を更に広く知ってもらう機会になることでしょう。化粧品テクノロジーの最先端を行くポーラ化成工業からますます目が離せません。