ロームのAIマイコン
2025-03-18 09:28:03

ロームの新しいAI機能搭載マイコンで未来の機器監視が変わる

AI機能を備えたマイコンがもたらす新たな未来



近年、産業機器の運用において効率的なメンテナンスや、故障の事前検知は欠かせない要素となっています。そんな中で、ローム株式会社が開発したAI機能搭載マイコン「ML63Q253x-NNNxx/ML63Q255x-NNNxx」(以下、AIマイコン)が注目を浴びています。これは、モーターや各種設備に搭載することで、センシングデータを利用した故障予兆検知や劣化予測が可能になる、先進的なデバイスです。

1. AIマイコンの特長と技術


1.1 ネットワーク不要の学習と推論


このAIマイコンの最大の特徴は、インターネットやクラウドサービスに頼らず、独自の「Solist-AI™」技術に基づいて、単体で学習と推論を行える点にあります。他の一般的なAI処理モデルは、ネットワーク接続や高性能なコンピュータが必要ですが、この製品は柔軟性を持ち、設置環境や機種間のばらつきに応じた対応が可能です。

1.2 高速化とリアルタイム処理


AIマイコンに搭載された「AxlCORE-ODL」は、AI処理を従来のソフトウェア方式の約1,000倍の速度で実行できる高性能なアクセラレーターです。これにより、設備の異常をリアルタイムで検知し、迅速に数値データとして出力することができます。特に、製造現場での現場学習を実現しており、既存機器への後付けも可能です。

1.3 省エネルギー性能


消費電力約40mWという優れた省電力性能を誇り、産業機器や家電設備に最適です。これにより、電力コストを抑えつつ、効率的に機器の運用が可能になります。特に、AIマイコンでは32bit Arm Cortex-M0+ Coreを採用し、さまざまなセンサーと連携して高い精度での異常検知を実現します。

2. 製品情報と販売計画


ロームは、16種類の異なる仕様のAIマイコンをラインナップすると発表し、2025年2月より順次量産を開始します。サンプル価格は3,000円(税別)で、特にメモリサイズやパッケージに違いを持たせることで多様なニーズに対応します。また、AIマイコン評価ボードも販売予定で、ユーザー側は簡単に導入やテストができる環境が整えられています。

2.1 導入支援ツール


また、ロームは公式ウェブサイト上でAIシミュレーションツール「Solist-AI™ Sim」を公開しています。このツールを使用することで、ユーザーは導入前に学習と推論の効果を確認でき、実際のAIマイコンに活用できるデータを得ることができます。さらには、パートナー企業とのエコシステムを築き、モデル開発や導入の支援を行います。

3. 今後の展望


設備運用の効率化や故障予兆検知は、常に求められる解決課題ですが、ロームの新しいAI機能搭載マイコンがその答えとなるでしょう。AIマイコンは、FAセンサやロボット、家電など、さまざまな機器に適用可能であり、個別に最適化されることで、業界全体の効率を向上させる期待が寄せられます。今後、エコシステムの強化を通じて、市場に多くのメリットをもたらすことでしょう。

より高精度な予測と効率的な運用が可能になるAIマイコン。この技術革新が、業界全体の見通しをどう変えていくのか、今後の展開に注目です。


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