日本曹達とMabGenesisが犬猫向け新薬開発に向けた共同研究を開始
2023年、日本曹達株式会社がMabGenesis株式会社とアニマルヘルス分野における新たなモノクローナル抗体医薬品の開発に向けた共同研究契約を締結したというニュースが届きました。この協業は、ペットの高齢化や飼育環境の変化に伴い、ますます求められる動物用医薬品の需要に応えるべく始まったものです。
MabGenesis株式会社とは
MabGenesis株式会社は、横浜市に本社を置くバイオ医薬品スタートアップ企業であり、2019年の設立以来、30年にわたる抗体研究の成果を基盤に、治療用モノクローナル抗体医薬品の研究開発に特化しています。特に、彼らの誇るMOURAライブラリーは、既存技術では難しい種特異的なモノクローナル抗体を提供することで、製薬業界に革新をもたらしています。
共同研究の背景
この契約は、日本曹達が掲げる長期ビジョン『かがくで、かがやく。2030』の一環です。このビジョンの下で、持続可能な社会への貢献を目指し、ヘルスケア分野における重要な課題を特定し、取り組んでいます。これにより、動物用医薬品に求められる新しい治療法の選択肢を提供することが期待されます。
近年、特にアトピー性皮膚炎のような治療が困難な疾患に対する新たな治療法として、モノクローナル抗体医薬品の需要が高まっています。この市場ニーズに応えるため、MabGenesisとの間での提携が実現しました。
日本曹達とMabGenesisの期待
日本曹達の化学合成技術とMabGenesisの革新的な抗体創出技術の組み合わせは、今後の医薬品開発において大きな力になるでしょう。日本曹達の加藤誠執行役員は、アニマルヘルス分野がもたらすビジネスチャンスに期待を寄せており、MabGenesisの技術との融合を通じて、早期の事業化を目指すと語っています。
一方、MabGenesisの新庄代表もこの共同研究の開始を喜び、新たな動物用抗体医薬品の創出が、世界中の治療を必要とするペットたちに貢献できると述べています。
今後の展望
両社は、契約に基づいてMabGenesisが持つ独自技術を駆使し、イヌおよびネコ用の新規モノクローナル抗体医薬品の創出を進めていきます。今後の技術検証及び評価を通じて、将来的な製品化に向けた動きも視野に入れています。
日本曹達は引き続きオープンイノベーションを推進し、動物のヘルスケアに関する課題解決に向けた新たなソリューションを提供していく方針です。この取り組みが実を結ぶことで、より多くのペットが健康で幸せな生活を送れることに貢献できるでしょう。
まとめ
日本曹達とMabGenesisの連携は、今後の動物用医薬品の開発において、新たな可能性を切り開くものです。両社の共同研究がどのような成果をもたらすのか、今後の動向が非常に楽しみです。私たちペット愛好家にとっても、このニュースは明るい未来を予感させてくれるものであり、期待感が高まります。