受験シーズンの進路希望、親子の差異が93.8%超の調査結果
NPO法人第3の家族が実施した調査によると、受験シーズンにおける子どもと親の進路希望に明らかな差異が見られています。この調査では、家庭環境に悩む子どもたちの声を社会に届けるため、掲示板「gedokun」を通じたアンケートが実施されました。調査の結果、93.8%もの子どもたちが自らの進路希望が親の期待と異なると回答しました。
調査の背景と目的
受験シーズンになると、進路に関する悩みは特に増加します。この時期、親子で異なる進路希望が問題となってくることが多く、子どもの心の内を探ることの重要性が増します。NPO法人第3の家族は、家庭環境に悩む若者たちのために、安全な場を提供し、彼らの意見を尊重したうえで社会に発信することに力を入れています。
調査概要
- - 調査主体: NPO法人第3の家族
- - 調査手法: Webアンケート
- - 調査地域: 全国
- - 有効回答数: 145
- - 調査対象: 「gedokun」のユーザー
- - 調査期間: 2024年12月1日〜12月7日
調査結果と具体例
調査結果からは、子どもたちの多くが「声優」や「eスポーツ選手」など具体的な夢を持ちながら、親は「銀行員」や「サラリーマン」といった安定した職を望んでいることが浮き彫りになりました。特に「普通」という言葉が家族間で頻繁に使われており、子どもたちは「普通の仕事」を求められていると受け止めている様子があります。
また、進学選択においても性別や兄弟の影響を受けることが多く、理系の専門学校への進学を希望する少女が「女だから」と言われる状況や、絵師を目指す若者が親から否定的発言を受ける例など、多くの「もやもや」が明らかになっています。
SNSと進路選択の影響
学習支援塾ビーンズの代表である塚﨑康弘氏は、子どもたちがSNSを通じて限られた情報に基づいて進路選択を行っていると指摘しています。その結果として、人気職に過剰な憧れを抱く一方で、社会基盤となる職業の重要性を見落としがちであると述べています。おそらく、この状況は「普通」を求められるプレッシャーを生み出し、子どもたちにとっての選択肢を狭める要因となっています。
親の役割と進路選択
NPO法人第3の家族の代表である奥村春香氏は、親が「子どもを見てほしい」と強調します。親が自身の経験則に基づいて進路を提言すると、それが子どもにとってはプレッシャーとなりかねません。大切なのは、子どもの声に耳を傾け、彼らが本当にやりたいことを一緒に探ることです。これが、子どもたちの進路希望に対する理解を深め、サポートを行うための重要なステップです。
まとめ
この調査を通じて浮かび上がった親子間での進路希望の差異は、子どもたちにとって深刻な悩みの種です。親としてどう向き合うか、そして社会全体としてどのようにサポートしていくのかを考えさせられる結果となりました。この問題は一家庭内だけの問題ではなく、広く社会全体が関わるべき重要な議題であると言えます。子どもたちの未来を拓くために、私たち大人は丁寧な対話を心がける必要があります。