ヨコハマ海洋市民大学 2024年度講座第8回
2024年度のヨコハマ海洋市民大学の第8回効講座が、2024年1月9日(木)に横浜の象の鼻テラスで開催されました。この講座は、環境問題などの社会課題を解決するために市民が考え、行動する力を育成することを目的としています。
講座概要
この日の講座には39名の参加者が集まり、会場の受講生15名、オンライン受講生15名、講師の丹羽巧選手1名、実行委員やゲストによるサポートが行われました。共催は「海と日本プロジェクト」、後援は横浜市と海洋都市横浜うみ協議会でした。
丹羽巧選手の紹介
講師の丹羽巧選手は、セーリング競技において多くの実績を残している方で、2024年アジア太平洋選手権での優勝、2023年のパラセーリング世界選手権で銀メダルを獲得した際には、障がい者でも活躍できる場を提供する重要性について力強く語りました。彼は「海へ。パラセーリングで世界を目指す」と題し、障がいを持つ選手にとってのパラセーリングの意義を伝えました。
丹羽選手の競技経歴
丹羽選手は千葉県立磯辺高校でヨットを始め、その後19歳の時に右足を事故で失うも、義足で競技を続けました。2015年からパラセーリングに取り組み、2016年のリオデジャネイロパラリンピックに向けた予選も経験し、強化を続けました。彼は「多くの失敗を重ねてチャンスを掴んできた」と語り、苦労を乗り越える力がセーリングにおいて重要だと訴えました。
セーリングの魅力
講座ではセーリング競技の複雑さや戦略についても触れました。参加者たちは、風と潮の状況を読むことが競技のカギであり、それがいかに選手の判断力を問うかについて新たな視点を得ました。丹羽選手は、参加者に「海はただの水ではなく、多様性に満ちた世界だ」と語り、海の魅力を熱心に伝えました。
インクローシブ・セーリングの重要性
丹羽選手が挑むハンザクラスは、障がいの種類や程度に関係なく競技ができる仕組みがあり、参加者同士が相互に理解しあう場でもあります。彼は障がいを持つ選手たちと健常者が共に競い合う、インクルーシブ・セーリングの世界の重要性を訴え、未来の多様性を感じさせました。
参加者の反応
参加者からは「パラセーリングを具体的に知らなかったので興味深かった」といった声や、丹羽選手のエネルギーに感動したとの感想が寄せられ、講座を通じた学びが新たな気づきを生んだようです。
まとめ
ヨコハマ海洋市民大学の講座は、単なる学びにとどまらず、様々な障がいを抱える選手やプログラムが共に成長しあう場としての役割を果たし、横浜の素晴らしい海の環境と、そこに生きる人々の未来をつなげる重要な機会となりました。このような取り組みが、地域社会における理解と共感を深める一助となることを期待しています。