シェフラーが中国でEV向けボールねじ駆動装置の生産を開始

シェフラーが中国で新たにボールねじ駆動装置の生産を開始

シェフラーグループは、自動車産業の中で重要な役割を果たすボールねじ駆動装置の生産を中国の湘潭で開始しました。同社は、2007年以降、世界中で1億4,000万台以上のボールねじ駆動装置を製造しており、自動車技術の進化に寄与しています。

ボールねじ駆動装置の役割とは？

ボールねじ駆動装置は、スピンドルやナットの回転運動を直線運動に変換する重要な部品で、電気自動車のブレーキシステムやステアリングシステムなどに広く使われています。その仕様は高い効率性を誇り、フリクションを抑えた設計により、現代の自動車に欠かせない要素となっています。

特に、シェフラーが開発したボールねじ駆動装置は、電気自動車やハイブリッド車に適したものとして評価されています。これにより、エネルギー消費を削減し、よりスムーズで静かな走行を実現します。

グローバルな生産体制

2月に湘潭での生産を開始したシェフラーは、今後も2025年と2026年に他のグローバル拠点でも製造を進めていく予定です。これにより、現地市場へより迅速かつ効果的な製品供給が可能になります。この「ローカル・フォー・ローカル」アプローチは、地元企業との関係構築や、最適な顧客サポートに繋がっています。

マティアス・ツィンクCEOは「シェフラーのボールねじ駆動装置には、品質と信頼性が求められる自動運転技術において、重要な役割を果たすことが期待されています」と述べ、将来的な展開にも自信を見せています。

ボールねじの先進技術

シェフラーのボールねじ駆動装置は、高効率製品として知られ、スムーズで静かな走行を実現するために設計されています。また、これによりエネルギー必要量を低減し、環境への負荷も軽減されます。特に電気自動車では、この技術が静かな運転体験に寄与することが期待されます。

加えて、ボールねじ駆動装置は小型トラックやバン、ピックアップトラックなどの商用ライトビークルにも使用される高耐荷重性を備えています。これにより、運転者にかかる負担を軽減し、より快適な運転環境を提供します。

未来の自動車へ向けた取り組み

シェフラーは今後も、ハイブリッド車や電気自動車、自動運転技術向けのボールねじ駆動装置の開発を進めていきます。ティモ・シュミット責任者は、「次世代の自動車には、インテリジェントな電気機械式ブレーキが統合され、ブレーキ・バイ・ワイヤ技術が普及するでしょう」と語り、シェフラーの製品がその中心的役割を果たすことを示唆しています。

シェフラーは、持続可能なモビリティを支える信頼性の高いパートナーとしての役割を果たしつつ、進化し続ける自動車技術に対応しています。その革新的な技術とグローバルな生産体制によって、未来のモビリティの実現に取り組んでいく姿勢は、今後も注目されることでしょう。