高精度PBF方式金属3Dプリンタ、DeskFabシリーズが登場
2025年10月に、愛知県名古屋市の株式会社データ・デザインが、FastForm 3D Technology Co., Ltd.(中国・蘇州)の最新金属3Dプリンタ「DeskFab H1」と「DeskFab X1」の販売を日本国内にて開始します。この新シリーズは、特に製造現場での保守・修理・運用パーツの製造、さらには大学や工業高校での教育・研究向けに最適な設計となっています。特に「DeskFab X1」は、医療機器製造業の登録を完了し、歯科医療や歯科技工用に特化されたモデルとして登場します。
従来のPBF(Powder Bed Fusion)方式の金属3Dプリンタは、高額な設備投資が必要で、限られた分野にしか導入できていませんでした。しかし、FastForm社の新型プリンタは、米Tesla社の合理的なアプローチを参考にして開発され、構成部品の点数を約半減させることで、コストの大幅な削減に成功しています。
「DeskFab H1」の造形エリアは直径100mm、高さ80mmで、H1は直径が大きめです。一方、「DeskFab X1」の造形エリアは高さ60mmとなっており、様々なサイズの金属製品を製造できるのが特徴です。この新型プリンタは、ロボットハンドや治具、小物精密部品の製造など、幅広い用途に対応可能です。
特筆すべきは、今回のPBF方式が高精度・高密度かつ高速造形を実現している点です。これにより、従来の工法で難しかった内部の複雑な構造や軽量化設計が可能となり、リードタイムの短縮が期待できます。加えて、この「DeskFabシリーズ」は、短期間で投資収益率(ROI)が100%以上を達成することも可能な、非常に優れた費用対効果を誇るAM(Additive Manufacturing)ソリューションとして注目されています。
「DeskFab H1」の基本価格は798万円から、そして歯科医療向けの「DeskFab X1」は648万円からとなっています。さらに、導入・設置支援や材料特性に基づく積層造形パラメータのチューニング、ポスト処理までのプロフェッショナル・サービスを希望に応じて追加することが可能です。
販売開始に伴う展示会も予定されており、2023年9月26日から28日にかけてパシフィコ横浜で開催される日本デンタルショーでは「X1」を、10月1日から3日にはインテックス大阪でのものづくりワールド大阪、10月22日から25日にはポートメッセなごやでのメカトロテックジャパンにて「H1」の実機と造形サンプルが展示されます。
この新型金属3Dプリンタは、教育機関や医療現場においても、より身近に使える技術として我々の生活を豊かにすることが期待されています。これからの展開にぜひご注目ください。