業務におけるChatGPT活用実態調査の結果
NSSスマートコンサルティング株式会社は、2025年1月6日から7日までの期間中に、業務でChatGPTを利用している会社員1,030人を対象に、活用実態と信頼度についての調査を実施しました。AI技術の進展により、多くの企業では業務効率化やイノベーション推進を目的に生成AIが活用されています。特にChatGPTは、企画書作成やデータ分析など、幅広い業務に取り入れられていますが、これに伴い、出力内容の正確性やセキュリティリスクに関する懸念も浮上しています。
利用状況と頻度の分析
調査結果によると、ChatGPTを活用している業務内容で最も多いのは『文章の作成・要約・校正』で49.8%、続いて『情報検索』が48.4%、『情報処理・データ分析』が42.2%でした。 これらから、業務におけるAIの利用は文章関連と情報処理の側面で特に顕著であることがわかります。また、ChatGPTの利用頻度については、週に3〜4日程度が31.0%、ほぼ毎日利用する人も21.4%に上り、全体の約80%が日常的に業務で活用していることが明らかになりました。
業務効率への影響と懸念事項
調査では、ChatGPTを活用して良かった点として、最も多く挙げられたのは『作業スピードが上がった』とする56.0%の回答でした。次いで『アイデアの質が向上した』が40.8%、『新しい視点や発想を得られるようになった』が40.0%と続き、業務の効率改善と創造性の向上が実感されています。
一方で、『情報の正確性がわからず結果的に手間が増えた』という回答が最も多く、37.1%に上りました。他には『ChatGPTに頼りすぎて自分やチームのスキルが低下した』との回答が34.6%、『情報漏洩のリスクを感じるようになった』が27.4%で、特に正確性や依存のリスクが浮き彫りになっています。
ChatGPTの出力情報に対する信頼性
次に、ChatGPTが出力する情報の信頼度について調査をしました。約9割の回答者が出力情報を信用していると回答し、『とても信用している』は16.8%、『ある程度信用している』が69.9%という結果に。
一方で、『あまり信用していない』と答えた方の意見も無視できず、その理由には間違った情報の出力や専門性の欠如などが挙げられました。出力情報の確認作業は、8割以上の回答者が実施し、信頼できる情報源との照合や異なる質問方法での再確認が行われていることからも、慎重な姿勢が伺えます。
AIリテラシーと今後の課題
自身のAIリテラシーに関しては、約7割が『非常に高い』または『ある程度高い』と感じていると回答し、自身の運用に自信を持っているようです。今後の課題については、特に『セキュリティやプライバシー保護の強化』を求める声が48.0%と最も高く、『情報の正確性の向上』が41.7%、『出力結果の検証プロセスの確立』が37.2%と続き、これらの課題の解決が今後のAI活用において重要となるでしょう。
まとめ
今回の調査から、業務におけるChatGPTの活用は明らかに進展しており、効率化や創造性に寄与していることが示されました。しかし、情報の正確性確保やセキュリティへの懸念も無視できない重要なテーマです。利用者自身が情報を確認し、必要に応じて照合しているなど、慎重な姿勢が求められます。今後は、これらの課題を克服し、より安全で効果的なAIツールの活用が企業にもたらす恩恵を最大化することが重要です。