空飛ぶ高圧洗浄機実現へ、ケルヒャーとスカイコードが提携

高所清掃に革命、ケルヒャーとスカイコードが提携　

清掃の世界に新たな風が吹き込まれました。ドイツの清掃機器大手、ケルヒャーと日本のドローンスタートアップ、スカイコードがタッグを組み、高圧洗浄機を搭載したドローンの社会実装を目指すプロジェクトが始動します。これにより、従来は手作業で行われていた危険な高所や困難な現場での清掃作業が、より安全かつ効率的に行えるようになります。

1. 提携の背景

高所や傾斜地での清掃作業には、多くの労力とコストがかかり、事故リスクも伴います。特にビルの外壁洗浄や橋脚、屋根などの清掃は、作業員にとって危険を伴うことが多く、高所作業の技術や足場の設置が求められることから、手間がかかるのが常でした。しかし、テクノロジーの進化により、その状況は変わりつつあります。

ケルヒャーは、家庭用から業務用までの多様な清掃機器を提供する世界的なメーカーであり、特に「クリーニングプロジェクト」を通じて多くの文化財や歴史的建物の清掃・保存を行ってきました。一方のスカイコードは、ドローン技術の先駆けとして、商用運用の実績を持つ企業です。本提携は、両社の強みを活かし、清掃活動の新たな形を提供することを目的としています。

2. 画期的な「空飛ぶ高圧洗浄機」

今回の提携において注目されるのが、「空飛ぶ高圧洗浄機」、正式には「高圧洗浄ドローン」です。スカイコードは、ケルヒャーの高圧洗浄機に最適化されたアダプターを開発し、ドローンに取り付け可能としました。これにより、空中で高圧洗浄を行うことが可能になり、従来の常識を覆す新サービスが実現します。

このドローンは、清掃対象や周囲の環境に応じて、最適な洗浄方法やノズル選定、さらには水圧・飛行ルートを設計することができます。これにより、作業時間の短縮化や経費の削減が可能となります。さらには太陽光パネルの洗浄や除草、除雪といった他の清掃現場にも対応できるようになり、その柔軟性は無限の可能性を秘めています。

3. 安全・効率的な運用を実現する研修体制

新たな技術の導入には、適切な運用が不可欠です。そのため、両社は現場での安全かつ効率的な運用をサポートするための「オペレーションガイド」や、スカイコードのプロによる実践的な研修プログラムを提供します。この講習は、千葉県君津市にある自社のドローン専用訓練施設「コードベースキミツ」で行われ、実践的な訓練が受けられます。

4. 未来に向けた取り組み

ケルヒャーとスカイコードの提携は、清掃業界に革新をもたらすだけでなく、地域の課題解決や持続可能な社会の実現にも寄与することが期待されています。双方の技術を結集し、社会に新たな清掃ソリューションを提供することで、清掃作業を安全に、効率的に行える時代が到来するのです。

私たちが日常で目にする清掃の現場が、未来にはどのように変わるのか。空飛ぶ高圧洗浄機が実現する新たな風景を、ぜひ楽しみにしていてください。