岡山大学シンポジウムの開催
2024年11月1日、岡山大学の微生物インダストリー講座が共催した第3回シンポジウム「固体培養技術の社会実装チャレンジ~麴の有用性と未来像~」が盛況に開催されました。国立大学法人岡山大学は、微生物研究の最前線で活躍するコンソーシアムを形成し、地域や社会に貢献する研究を推進しています。
シンポジウムの概要
シンポジウムには500名近くの参加者が集まり、対面で220名、オンラインで280名が参加しました。基調講演の後には、学生によるプレゼンテーションやパネルディスカッションが行われ、参加者が持つ知識や意見がぶつかり合う興味深い場となりました。開会の挨拶を担当した岡山大学の那須保友学長と、フジワラテクノアートの藤原加奈副社長は、麴の未来について熱い思いを語りました。
主要な講演内容
講演では、大阪大学の楠本憲一教授による「麴菌の多様性が生み出す新たな醸造の世界と食文化」に始まり、続いて株式会社ぐるなびの澤田和典氏が「日本の食文化を守り育てるために、麴発酵ができること」を紹介。
さらに、フジワラテクノアートの妹尾佐都子課長が「畜産飼料への応用を目指した複数のバイオマス分解酵素を高生産するセルフクローニング麴菌株の造成」について発表しました。どの講演も、麴に関する新たな可能性や技術開発の展望が語られました。
特に印象的だったのは、東京からのサプライズゲスト、Food Tech Studio – Bites! 代表の外村仁氏による講演で、彼は「発酵技術企業が打ち出す微生物インダストリーを共創で」と題し、発酵技術の重要性についての認識を深めました。
総合討論
講演の後、楠本教授と澤田氏、さらには株式会社樋口松之助商店の山下秀行研究室長などが参加し、シンポジウムのテーマについて熱心に討論しました。この討論は、後の発展に繋がる重要な内容まで掘り下げられ、現場での生の声を活用した次のステップが期待されます。
討論の進行役は神崎浩教授が務め、参加者同士のディスカッションが活気に満ちたものとなりました。討論の内容は、固体培養技術の社会実装に向けた具体的な提案や市販品開発の視点に至るまで多岐にわたり、非常に充実した内容でした。
シンポジウムの意義
今回のシンポジウムを通じて、固体培養技術に関する期待が改めて強調され、さまざまな未利用植物資源の活用方法や、新たな研究開発の方向性が模索されました。今後、産学官の連携を進めながら、実際の社会に活用できる技術としての具体化が望まれています。
今後の展望
岡山大学は引き続き、この微生物インダストリー講座を通じて地域や社会に対する貢献を行うとともに、持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指していきます。このシンポジウムはその一環であり、地域中核・特色ある研究大学としての役割をさらに推進していくことが求められます。
シンポジウムの動画は、微生物インダストリー講座のYouTubeチャンネルで視聴可能です。ぜひご覧いただき、今後の取り組みにご期待ください。