管理職が抱える負担を軽減する新たなリーダーシップモデルとは
近年、企業における管理職の役割はますます重要になっていますが、その一方で管理職が抱える負担も増加しているとされています。特に多くの管理職が「部下のメンタルケア」や「キャリア面談」といった業務を手放したいと感じていることが、株式会社シェイクによる調査から明らかになりました。これを受けて注目されているのが、シェアド・リーダーシップ型組織です。
調査の背景と目的
シェイクでは、300名以上の規模の企業に勤務する正社員の管理職を対象に、「管理職の期待・実態・課題」について意識調査を実施しました。この調査の目的は、管理職が現在実際に担っている業務や、それに対する意識を把握することです。
調査結果によると、管理職は部下の育成や進捗管理に対する期待が高い一方、自身が実際にやりたいこととのギャップを感じている様子が伺えます。多くの管理職が心の中で抱える「負担」を軽減し、より良い組織作りにつなげるための具体的なモデルが求められているのです。
管理職が手放したい業務
調査において、多くの管理職が手放したいと考えている業務は、特に精神的な負担が重くのしかかる「メンタルケア」や「キャリア面談」です。これらの業務は専門性が高く、管理職がこれを行うことは心理的な負担となることが多いと考えられます。そのため、より多くのリーダーシップをチーム内で共有する「シェアド・リーダーシップ型組織」が提案されています。
シェアド・リーダーシップ型組織のメリット
シェアド・リーダーシップとは、1人のリーダーが組織を引っ張るのではなく、チーム全体でリーダーシップを分担するという考え方です。このモデルにおいては、各メンバーがそれぞれの強みを活かしながら、自主的に行動することが求められます。調査では、7割以上の管理職がこのシェアド・リーダーシップに「魅力を感じる」と回答しており、組織全体のエンゲージメント向上に寄与することが期待されています。
課題と展望
ただし、シェアド・リーダーシップには、管理職が懸念を抱く側面も存在します。例えば、「責任の所在が不明確になる」「統制がしづらい」といった具体的な課題が挙げられています。このような課題解決には、明確な定義や評価基準を設定することが重要です。組織においては、管理職が部下の育成に集中できるような体制を整備することで、長期的な視点での組織成長を図ることが求められています。
リーダーシップ育成の重要性
調査では、管理職は自身の役割やメンバーのリーダーシップ発揮に対する期待も高いことがわかりました。特に、若手や中堅社員がリーダーシップを発揮できるようにするために、成功体験や権限委譲を意識した育成が求められています。管理職は、部下が主体的に取り組める環境を作るために、心理的な安全性を醸成する必要があります。
まとめ
管理職が抱える業務の負担を軽減しつつ、より良い組織を作るためには、シェアド・リーダーシップ型の組織像が有力な選択肢といえるでしょう。これにより、部下のメンタルケアやキャリア面談の負担を分散できるだけでなく、メンバーがそれぞれの強みを発揮する機会を創出することができます。最終的には、心理的、安全性や挑戦を促す環境が、組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。