ファミリーマートが新たに推進する食品ロス削減プロジェクトとは

食品ロス削減への新たな挑戦

株式会社ファミリーマートは、食品ロス削減に向けた取り組みの一環として、独自の「涙目シール」を導入し、全国展開を果たしています。この「涙目シール」は、食品ロスを減少させるためのコミュニケーションツールとして、値下げしたおむすびや弁当などの中食商品に貼られるシールです。シールには、ただ値下げ額を表示するだけでなく、「助けてください」というメッセージとともに、涙目の可愛らしいキャラクターが描かれています。これにより、消費者は単に値下げ商品であることを判断するだけでなく、食品ロス削減への参加意識が促される仕組みとなっています。

2024年10月には実証実験が行われ、涙目シール導入後の値下げ商品の購入率は従来と比べて向上した結果が示されています。この試みは700以上のファミマ店舗で実施され、長期的には年間約3,000トンの食品ロスを削減する見込みです。シールが持つメッセージ性が消費者に響き、心理的な抵抗を軽減する効果があったことが確認されました。

「涙目シール」の効果的な展開

2025年4月の全国展開後、都内10店舗での効果検証が行われ、主に値下げ商品の購入率が平均4ポイントアップしたことが報告されています。また、一部店舗では10ポイント以上の増加が見られるなど、大きな成功を収めているようです。このような結果は、消費者から寄せられる「買いやすい」という声が反映されているとされており、従来のシールと比べて利便性や魅力が向上していることが伺えます。さらに、店舗での実際の廃棄量も前年比で約5％削減できているとのことです。

フリー素材としての「涙目シール」

新たに発表された取り組みとして、ファミリーマートは「涙目シール」のイラストをフリー素材化することを決定しました。この取り組みは、食品ロス削減をファミリーマートの店舗に限らず、社会全体に広げることを意図しています。そのため、パン、肉、魚、ケーキなど、多様な種類の新しいイラストが追加され、フリー素材として提供されます。この素材は、飲食店や小売店、自治体と協力し、「食品ロスを減らしたい」という共通の思いを行動につなげる触媒となることが期待されています。

公式ウェブサイト内のサステナビリティページから、誰でも利用できるように公開されており、さまざまな業種で活用されることが見込まれています。今後もファミリーマートは、地域や消費者と連携し、食品ロス削減の取り組みを拡大させていく方針です。

中長期的な展望と挑戦

ファミリーマートは「ファミマecoビジョン2050」を策定し、環境に配慮した持続可能な店舗運営はもちろん、食品ロス削減にも積極的な姿勢を示しています。消費期限の近い食品を積極的に値下げするなどの取り組みを強化し、2030年までに50％、2050年に80％の食品ロス削減を目指しています。このビジョンは、地域密着型のコンビニとして、消費者とともに持続可能な社会を築くための重要な目標です。

ファミリーマートは、企業の枠を超え、消費者や地域社会が一体となって食品ロスを削減する未来を目指し、今後も持続可能な取り組みを続けていきます。詳しい取り組みについては、公式ウェブサイトで確認いただけます。