岡山大学の半導体人材育成講座が拡大し、地域産業に貢献
国立大学法人岡山大学が主催する「半導体人材育成」関連講座が、このたび令和7年度を迎え、過去最大の受講者数を記録しました。今回の講座は、大学院レベルから教養科目まで多岐にわたり、400人以上が受講。この成果は、昨年度の150人から大きく飛躍し、地域における半導体教育の重要性を再確認させるものとなりました。
教育の多様性
この半導体人材育成講座シリーズは、3年目を迎え、理系だけでなく文系学生や地域企業の社内研修にも幅広く対応しています。具体的には、以下の5つの講座が開講されました:
1.
アタリマエの科学(教養教育科目)
2.
経営学入門(経済学部専門教育科目)
3.
経営戦略論(経済学部専門教育科目)
4.
先端半導体テクノロジー入門(理系初年次向け)
5.
先端半導体テクノロジー講座(大学院生向け)
これらの講座は、特に単位認定の対象であり、公開講座としても開催され、地域の社会人が参加できる形が取られました。
地域産業との連携
岡山大学が展開したこの講座は、中国経済産業局からも支援を受けています。同局が組織する「中国地域半導体関連産業振興協議会」を通じて広く周知され、地域の企業と大学が密に連携していることを示しています。
特に、最も専門性の高い「先端半導体テクノロジー講座」は、9月30日に全日程が完了しました。この講座では、バンド理論や超高周波誘電体材料、パワーエレクトロニクス、高周波半導体、ウエハ製造プロセスなど、次世代半導体技術に関するまたとない機会を学生に提供しました。
受講生からは、技術を学ぶだけでなく、半導体が持つ産業的側面やビジネス的な視点を理解する重要性が見出されたとの声が上がるなど、高い満足度を示しています。
教育の未来
教育機関としての役割を果たすため、岡山大学は今後も産学官連携を強化し続ける方針です。これにより、地域の半導体産業に特化した人材の育成を一層推進していく計画です。また、来年度には新たに環境生命自然科学研究科に関連講座を設け、さらに地域の影響力を高めることを目指しています。
中国四国地域が連携して進めるこのプロジェクトは、文部科学省による半導体人材育成事業(enSET)にも選ばれており、岡山大学がこの取り組みを通じて地域社会に貢献していく姿勢が期待されています。
地域に根ざした大学としての岡山大学の挑戦は、今後も続きます。教育、産業、地域社会のニーズに応え、さらなる技術革新に貢献する岡山大学の未来に乞うご期待です。